「ホチキスをやり直した
小さい穴2つが
無駄に空いてる
かわいい書類。」
こちらは「ひとりごと絵本」という本の中の、つぶやきのひとつです。
このひとりごとを読むことで頭の中で繰り返されるのは、
「あ~、あるある。」という感情。
そして、にやりとしてしまうようなシュールな絵。
このふたつが重なり合い、ちいさな幸せを届けてくれます。
今回は、私のお気に入りの本をご紹介したいと思います。
ひとりごと絵本について
ひとりごと絵本の著者は、100%ORANGEさんです。
100%ORANGE
100%ORANGEさんは、及川賢治さんと竹内繭子さんの2人組で、イラストレーションを中心に活動されています。
記憶にも新しい「新潮文庫のYonda?」のパンダシリーズも手がけてらっしゃいました。
そんなお二人が作られた「ひとりごと絵本」は、及川賢治さんのTwitterでのつぶやきにイラストを添えられたものです。
つぶやきがメインのもの、絵がメインのもの、それぞれのつぶやきに対して絶妙なバランスでイラストが描かれています。
私がこの本に出会ったきっかけ
すみません。
あまり興味は無いかもしれませんが、本との出会いはふとしたときに訪れるということを書き留めておきたくてですね…
さらっと書きますのでさらっと流して下さい。。。
私はある時期1人ででブックカフェに通うことにはまっていました。
行くと毎回豆乳甘酒をオーダーし、窓際の1人席へ座ります。
意外と人目を気にするので、本を選ぶのはオーダーしてからの1回に賭けていました。
飲んでいる途中で立ち上がる時のタイミングを見計らうのがとても難しいのです。
その1回の賭けで、成功した中の1冊がこちらの「ひとりごと絵本」でした。
1人なのに、にやにやが止まらず。
人目を気にする性分ですから。。
面白すぎてこれ以上はここでは読めない!と、すぐに自分で購入しました。
おすすめしたいこだわりポイント
こちらの本をおすすめしたい個人的ポイントがありますので、ぜひご参考に。
あるある!と共感するつぶやき
ひとりごと絵本を読んでいると、日常に潜む「あるある」をたくさん見つけることが出来ます。
けど私達(少なくとも私)は、この「あるある」を言葉にはせず、自分の中で消化させてしまいます。
そんな「あるある」を言葉として見る・読むことで、共感と同時に新しい発見をしたような、嬉しい気持ちになります。
そんなつぶやきの中から私の好きなものをいくつかご紹介させていただきます。
・炭酸の抜けたジュースを飲むと これがお前の本当の姿か。と思う。
・枕の下の冷たさ。
・5分以上目をとじていると寝ます。
・宅急便の方に 起こしていただいた。
・体育座りしてると 人間も折りたたみ式なんだなと感じます。
ゆるくて、あたたかい気持ちになれる言葉ばかりです。
日常もこのような気持ちで受け止めることが出来たら、楽しい毎日になりそうですよね。
シュールな絵
つぶやきに添えられている、シュールで素朴な絵たちがまた愛おしい。
主人公はバラバラで、モノが擬人化されていたり色付きだったり。
この本の中では文章もデザインのひとつになっており、少し傾いた文字やイラストとのバランスもおすすめポイントです。
小さな仕掛けのある大人の飛び出す絵本
読み進めていると、ところどころに紙質の違う小さなページも登場します。
あれ?と覗くと、うふ。とにやけてしまう文章と絵。
また、マジックで書いた絵が薄い紙の裏に移ってしまったように印刷されているページがあり、
細かいなぁ。と思わざるを得ません。
ゆるい文章が続く中、こういった仕掛けが途中途中にあることで、飽きること無く読み進めることができます。
著者のあとがきがユーモアに溢れている
著者”及川賢治さん”のあとがきがおわりにあるのですが、私はそのあとがきが好きです。
「ねこの毛並みには流れがある。突然ですけど。」
と、はじまる文章は全て及川さんワールド。
ユーモア溢れる文章と考え方と少し切なくなる、ひとつの物語のようです。
もし持っていらっしゃる方、購入しようかなと思った方にはこちらもゆっくりと読んでみてほしいです。
おわりに
今回は私のおすすめの本を一冊ご紹介しました。
忙しい毎日の中で、ふと、この本を開くと心がすっきりする。
そんな一冊だと私は考えています。
この本を読んで、あなたにしかない「あるある」を見つけたときは、
わたしにもこっそり教えて下さいね。